悪性の黒色腫の眼的手術!

私には愛してやまない猫が1匹います。

彼女は私が中学生のころに出会った子で、外で母猫とはぐれたであろう小さくやせ細った野良猫でした。

猫の声がするという話をきいてきたボランティアの方と一緒に捜索し、保護する様子を見ているうちに、自分が育てて飼いたいという想いが強くなり、家族とボランティアの方に相談し引き取ることになりました。

もともとやせ細っていたのもありますが、とにかくがりがりなのと、目が落ちそうなくらい大きかったのが印象的でした。

ハウスダストかカモガヤのアレルギーがあるのか、いつも秋ごろになると執拗に目をかゆがり、目が腫れて半分以上見えなくなるほどかいてしまいます。

その時近くのかかりつけ医に行くとステロイドの注射をうってくれ、目薬をさすとすぐに収まり、そのシーズンはしばらく問題ありません。

猫なので自分で制御できないのもあり、いつもお薬が効くのもあり、家族では「またやってる。〇〇先生にみせにいこう」となるのが恒例でした。

私は部屋が汚く、片付けも苦手なので、猫が目をかゆがるとあわてて部屋の掃除をしてたものです(それが原因かはわかりませんが)。

そんなある秋の日、猫がまた異常に目をかゆがりました。

明日病院につれていこうと部屋を片付けた夜、猫がいつもと違う動きをしていました。

いつもは登らないウォークインクローゼットの一番上の段にのぼり、小さくうずくまっていました。

何だ珍しいな、目がかゆすぎていやな気持ちになったのかな、この時はそんなふうにしかおもっていませんでした。

そこから数日たったある日、母が猫の目を見ていいました。

「え、この子の目、左右で大きさ違くない!?」と。

私も見てみると、確かに向かって右目のほうが黒目がかなり大きく見えていました。

気のせいではないにしろ、目のかきすぎてはれてしまったのではないか、目を傷つけてしまったのではないと不安になり、急いで次の日の朝、かかりつけ医の獣医さんに見ていただきました。

獣医さんからの衝撃の一言は今も忘れられません。

「落ち着いて聞いてください。これは、9割悪性の黒色腫です」

混乱し、悪性の黒色腫ってなんですか?と聞く私に、「つまりがんです。転移もします」と淡々に先生はおっしゃいました。

そのあとのことはあまりにショックで覚えていません。

おそらく母が会計をし、タクシーを呼んでくれて、一緒に帰宅し、いつものように猫をかごからだし、そのあとから記憶にあるのですが、場面はもう夕方になっていました。

いつの間にか帰宅した父が「猫どうだった?」と。

私は涙は止まっていましたが、「がんだった・・・」と口にした瞬間また涙が止まらなくなりました。

その日は猫を囲み、家族みんなで泣き続けました。

今まで部屋を綺麗にしていなかったせいだ、私が大事にしてあげなかったせいだと後悔しました。

私が部屋を汚くしていたせいで、大好きな猫は目を執拗にかきむしり、その結果腫瘍ができたに違いない・・と。

そこからの時間はあっという間でした。

獣医さんのお話(といってもあとから母にきいたものですが)は、転移をしていなければ、眼的手術をすればそこでおさまるとのこと。

猫は聴覚嗅覚が優れているため、目が片方なくとも今まで変わらずにふつうに生きていけるのだと。

近くの大型の動物病院を紹介していただき、眼的手術を行うことになりました。

もちろん眼的手術をしても全身に転移していれば手遅れです。

MRIをとってくださり、幸いにも転移は見当たらなかったので手術をしました。

生まれて初めての手術、生まれて初めての外泊。

猫にとっても家族にとっても初めてのことばかりで不安で夜も眠れませんでした。

手術は無事成功したのですが、引き取りにいったときに猫はパニックを起こしていました。

ごはんも全く食べれず、点滴の管も外してしまい、このままでは危ないということで、自宅のほうが安全と判断し予定よりも2日早い退院となりました。

自宅に帰宅し、膝の上で少し寝たあと、わずかにごはんを食べてくれた嬉しさは忘れられません。

何度も生きててくれてありがとう、ありがとうと猫を抱き泣きました。

そこからはカラー生活で、一人にするのが不安だったので、夜は私と弟で朝は母と父とで、交代で仕事を休んだりしながら様子を見ました。

夜は徹夜続きだったので、私も気が狂いそうになりましたが、なんとか気合で乗り切りました。

結局腫瘍は、原因不明の陽性の腫瘍だったのです。

大型病院の手術してくださった先生も、原因がわからないと。

しいていうならこういう病名です。と長い病名を教えてくれたのを覚えています(名前は忘れてしまいました)。

その後というもの、猫の栄養には非常に気を使うようになりました。

うちの猫は野良の時の影響なのか、しょっぱいしらすが大好きです。

あとはマクドナルドのポテトといった油ものも…。

猫用の堅いフードもほとんど食べません。あれが一番栄養があるものと知ってからは他のものをほしがってもまずはそれを食べてもらうようにしました。

そのあと、ほしがったら薄味のしらすをあげています。

それが猫にとってせめてもの栄養になればと思いますが、今回のようにガンになってしまえば残りの命を好きにさせてあげたいとも思います。

本当に言葉が話せないというのは大変で、責任を全部自分で負うので、どういう決断をしてもこうしてあげればよかった…と後悔します。

今回も、もう少し様子を見れば自然にひいたのではないか、水膨れのようなものだったのではないか、と何度人に懺悔したかわかりません。

しかしあの場ではそうするしかなかったのです。

彼女にとって何が良いのか、悪いのか、私たちがくみ取って生きていくしかないのだと思いました。

これからも彼女とともに、残りの命を満足いくように生活させてあげたいとおもいます。